「すごい雨だ」

遠い海が
耳の中に
震えた膜をはるような
すごい雨だ

「かなしい」

かなしい怒りをしずめるには

どうしたらいいんだっけ

「無題」

あなたに
あいたいのに
あえないのが
くやしくて
ふがいなくて
それだけで
しんでしまえそう



あいたい
あいたい
あいたい！


それだけで
なんでもできてしまう

それがげんじつ

「past」

過去なんて
ちっぽけなものだ


今もあの日の歌を歌えば涙は出るし
愛おしさはいつまでもこのまま

絶望の怖ろしさも忘れずにいようと思う



それでも
振り向けば遠くちっぽけな
過ぎそして越えたものだ


抱きしめながら
とらわれずに往こう
忘れないように
けれど思い出しすぎずに往こう

「かたわ」

あなたが居らずとも
わたしは生きていける
けれど


一人のときは
肺の片方だけで
生きているなと
思う



慣れ
忘れ
普通であるかのように生きていけるとしても
あなたのいないわたしは、
息苦しく、
哀れなかたわなのだ